技法&工程

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木の葉天目(細野利夫作)

《木の葉天目》
椋(むく)の葉っぱを器の中に焼き込み、釉薬と椋の葉のコントラストを綺麗に表現したいのですが消滅したり、葉っぱが丸まり定着しないので非常に難しい技法の一つです。

椋の葉っぱの採取時期も太陽の光を浴び珪酸分を多く含む落葉の時期が良く触るとガサガサして肉厚のものが良い様です。釉薬との相性もありますが葉っぱの色が引き立つ黒色が良く口辺のぬげ部分が茶色に後酸化している方が器全体の風合がよろしい様です。

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木の葉天目(細野利夫 作)

                                

青瓷

青 瓷 (細野利夫作

《  青 瓷 》
中国・宋時代に焼かれたものが好きで『雨過天青』と云う言葉の様に雨上がりの澄み切った空のような色、そんな色を出せたら。。。汝官窯や郊壇窯で焼かれたものを更に超えてみたい。そんな思いで挑戦しています。

青瓷の発色は勿論のこと貫入の入り具合、貫入の大きさやバランスも大事です。二重貫入も見応えがあります。素地も紫口鉄足という位大事で白っぽい素地などは見劣りしますし鉄分の多い素地が良い様です。

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青 瓷(細野利夫作)

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青 瓷(細野利夫作)

<青瓷の発色について>

青瓷の発色については釉薬中のわずか数パーセントの鉄分の発色であり窯内の焼成の雰囲気や釉層の厚みによって青色やベージュに変わる不安定要素の強い釉薬である。よって青瓷を追求するあまり『身上をつぶす』とさえ言われている。
青瓷には還元焼成のものと酸化焼成のものがあり左の二点は還元炎で焼成されている。ただし古窯の発掘品を見ると一つの器の中でも酸化炎と還元炎の両方の発色がうかがえる。
このことは登り窯などで焼かれた場合は不安定な窯内条件のために起こった現象であり現代の様な安定した窯内条件のガス窯などでは起こりにくい現象でもある。
<貫入について>
通常の釉薬調合においては貫入は釉薬面に対し垂直に入ることが多くそれが一般的であるが南宋官窯の郊壇窯などでは素地と釉薬の熱膨張の違いから二重貫入と言われる立体的な釉調がみられる。これを亀甲貫入とか氷裂紋と呼ばれ珍重される。

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青 瓷(細野利夫作)

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青 瓷(細野利夫作)

 

 

<米色青瓷>

青瓷の発色で窯内の雰囲気が酸化焼成の状態では二価の鉄の発色となりベージュ系の発色になる。これをお米の色に例えて米色青瓷と呼んでいる。
還元炎焼成の一価の鉄のブルー系の発色とは異なるもののこれはこれで又趣がある。                        

《油滴天目》
黒地に銀色や金色の斑紋が無数に散りばめられ、まさしく夜空に満天の星空。油滴天目の中ではこの静嘉堂文庫所蔵の碗が一番気に入っています。妖しげで妖艶なまるで宇宙を彷徨う星、銀河の夜とでも表現しましょうか。。。再現したい一つです。

釉薬をかなり厚く掛け長時間ある温度域をキープする必要がありそうです。
この油滴斑のやや金色に近い発色は通常の酸化焼成とは異なり、融点到達後に温度が下がりながら長時間還元雰囲気の中に置かれたと思われる。
国宝の曜変天目にしてもその様な条件下で起こる現象だと思われる。
極薄のミクロンの被膜が光の干渉によってラスター状態にすることは研究の中の確信としてある。

又、油滴斑の大きさについては釉層を厚く施釉すれば斑の形状は幾らでも大きくなるし釉層が薄ければ斑は小さくなる。ただし大き過ぎても小さ過ぎても見栄えが宜しくない。その器の大きさに合ったバランスの良い事が大事である。

油滴天目(静嘉堂文庫所蔵)

油滴天目(静嘉堂文庫所蔵)

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油滴天目(細野利夫)

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